迷車グラフティ5
ホンダCB400Four(二代目)
4月生まれのボクは、高校3年の春休みからセッセと教習所に通い、4月末にはクルマの免許を手に入れた。
免許を手に入れれば当然、クルマに乗りたくなるのが人情である。クルマはバイクのように簡単には手に入れられない。車庫証明が必要なのだ。
先輩の紹介で、ケンメリのハードトップをGTR仕様にして、オーバーフェンダーにワタナベのアルミを入れてバッチリキメたヤツを10万円でどうだ、という話をもらい見に行ったものの、父親に話をすると一発却下。
あきらめきれないボクは、ホンダのN‐Ⅲ(360cc)をこれまた先輩所の紹介で、解体屋さんから2万円で譲ってもらい、バイト代で工面した10万円で車検を取って手に入れた。当時、軽自動車には車庫証明は不要だったのだ。
このN-Ⅲは、とにかく楽しいクルマであったが、半年も経つとやはりバイクの虫がうずいてきた。ちょうどそのころ、行きつけのバイク屋の手伝いをしていて、倉庫に行く機会があったのだが、そこになんと盗まれたのと同じヨンフォアの不動車が置いてあったのだ。
一台は外装やエンジンはしっかりしているものの、事故ってフロントフォークが曲がっている。もう一台は完全な族車できたないピンク色に塗られたタンクでエンジンもブロー。しかしフレームとフロントフォークは活かせそうであった。
ボクは速攻でN-Ⅲを友人に10万円で譲ると、その金で2台の不動ヨンフォアを買った。自宅のガレージに運び込んで、2台をバラバラにして活かせるパーツを組み合わせ、1台のバイクに仕上げた。いわゆるニコイチというやつである。
当時はまだほとんどの純正パーツが定価で手に入ったので、外装パーツの中でもマフラーやホイルなどめメッキの目立つパーツは新品を組んでいった。
コツコツ手を入れること半年。高校を卒業するころには、無事くみ上げることができ、車検も入れて、予備校に通うためのバイクを完成させることができたのだ。
この2代目のヨンフォアは、いままでの2輪、4輪人生のなかで、いちばん愛着があるバイクであった。なにせ自分で全部組み上げて完成させたマシンだったからだ。
その後に限定解除してナナハンにも乗り、ほかにもいろいろとバイクに乗ってきたが、そのサイズ感といい、スタイルといい、古いなりの走行性能といい、ボクに一番フィットしたバイクであった。
【諸元】HONDA CB400FOUR
最高出力:37ps/8,500rpm
最大トルク:3.2kg-m/7,500
車重:185kg
発売時期:1974年~1977年
価格:327千円
※ヨンフォアクラブの走行会にて