銀行口座
ネット銀行の場合
先週木曜日に銀行の法人名義口座の開設手続を行った。商売なので、お金のやり取りをする銀行口座が必要なのは言うまでもない。一方で最近はマネーロンダリングなど反社会的勢力の資金源に悪用されることから、とくに法人名義口座の開設には厳しいチェックが入ることが多い。
金融機関は、都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、その他とカテゴライズされているが、口座開設のしやすさでは信用金庫がいいと税理士からアドバイスをもらった。ただ、振込手数料などサービスの点ではその他にカテゴライズされるネット銀行がダントツなので、メインをネット銀行にして、サブとして信金に口座をつくることにした。
ボクが選んだのは住信SBIネット銀行。個人口座を昨年末の退職を機に切換えたのだが、振込手数料の無料プログラムなど、その圧倒的なサービスや使い勝手のよさから、法人口座でもお世話になろうと決めていた。
法人口座開設の手続きもネットで完結である。必要事項をHPから入力し、最後に代表者であるボクの免許書、顔写真をスマホで撮影して終了。登記簿謄本や定款など会社にまつわる提出書類は一切なし。
手続をするボクの方が不安になるくらいあっさりとしていて拍子抜けするほどである。かかった時間も20分程度であった。
さらに驚くべきはその審査スピード。4日(木)の11時すぎに手続きを終了し、審査結果がメールで送られてきたのは、翌日の午後イチ。ほぼ24時間で完了である。ネットバンキングをスマホ認証で行うのであれば、申請の翌日から使うことができる。
ボクの場合、スマホ認証を個人口座で使っていて、同じスマホで2つの認証はできないとのことで、法人口座のスマホ認証はあきらめたが、その点をのぞけば圧倒的なスピード感である。
スマホ認証しない場合は、1週間から10日程度でキャッシュカードと一緒に郵送される認証番号カードを使えば利用可能となる。
審査が厳しくなっているのに、この圧倒的なスピード感こそ、顧客としてDXを体感する瞬間だと思うし、こういった手間と時間を削減し、空いた時間を人が有効活用することが真のデジタル社会だと思う。
信金の場合
サブとして開設する信金には、金曜日のあさイチで行ってきた。事前に予約が必要か問い合わせたところ、とくに必要ないとのことであったので、空いている時間帯として案内されたあさイチに行ったのだが、店内は閑散としており予約が必要ないことも納得であった。
あらかじめHPを見て準備していった提出書類である履歴事項全部証明書(登記簿謄本)、同一の事項の提供(認証済み定款の写し)、「実質的支配者となるべき者の申告書」申告受理及び認証証明書、免許証を渡すと、コピーをとられている間に口座開設の申請書を記入する。
記入が終わると担当者から、口座開設の経緯について細かなヒアリングを受ける。詳しい業容や開業の理由、これまでの経歴・職業、家族構成、持ち家の有無、口座開設予定金融機関の数と名称、この信金を選んだ理由、口座のおもな使途、それから免許記載の住所が2回も変わっていたので、その理由など、根掘り葉掘りといった感じで質問された。ほとんど職質である。
これらの質問が口座開設とどんな関係があるのかと思いつつ、口座開設にNG出されても面倒なので、愛想よく答えてはいた。おどろいたのは、聴き取った内容は先ほどの申請書の裏にフリーでメモしているのである。
口座開設時のチェック項目として、確認項目がフォーマットになっていて、それに基づいてヒアリングをしているのではなく、担当者(課長さんだった)の経験のみでヒアリングをしているのである。
ヒアリングが終わると、A4の説明文一枚を渡され、何度も「審査結果によっては口座開設がご希望に添えない場合もある」と繰返していねいな説明をされた。あまりにもしつこいので、口座開設の審査はそんなに難しいのですか?と尋ねると、口座悪用に対して厳しいチェックが求められている旨の説明をいただいた。これって最初に話しておくべきでは?と思いつつ手続きは終了。
実質20分程度であったが、審査結果が出るまで1週間から10日程度かかるという。そして、結果がOKであったら、印鑑と口座開設のための現金を持って、また店舗に出向いて手続きをするとのことであった。
開店早々の店舗内には、お客さんはボクを含めて2~3名、カウンターの内側にいる行員さんは10人弱。ボクが物心ついたときから見ている金融機関の風景となんら変わっていない。ちなみに担当者からほかに口座開設を予定している金融機関を尋ねられ、「住信SBIネット銀行」といったら「住友信託銀行」と訊き返された。何度か言い直したがあの様子ではあのネット銀行の名前自体も知らない感じであった。
口座をつくらせてもらえるのはいいが、10年後取引きが続いているか不安になりながらお店を出たのであった。