電子申請
オンライン申請
今回起業するにあたって、結局手続きのほとんどを自分でやることにして、やり方をいろいろ調べてきた。最初手にした参考書は2012年初版のもので、手続きの記載は書面での手続きをベースに、補足としてオンライン申請を取扱っていた。
執筆のスタンスも「オンライン申請は、それを生業とする会社が、専用のソフトや機材を準備して、件数をこなすことでメリットが出るので、単発での手続きは結果的に書面の方が安上がり」という感じで、全面的におススメしてはいなかった。
ボクも参考書を読んで、さいしょはそのとおりだろうと考え、書面での申請をベースに考えていたが、HPなどいろいろな情報を調べていくうちに、とてもはやいペースで官公庁に対する手続きのオンライン化がすすんでいて、コストメリットなども出るように変わりつつあると感じた。
以前にも書いたが、法人設立の登記申請のうち、ひとり会社の設立登記は完全オンラインを全面的に勧めている。
それにあわせてさまざまな手続きのオンライン化をすすめるための対応も行われている。
気がつくと
さらにほかの手続きを調べていると、法人設立ワンストップサービスなるものまで出現していた。
ことしの2月26日からは、このワンストップサービスに「定款認証」と「設立登記」を含めたというのである。
菅さんが首相になって、デジタル庁設立や印鑑廃止を目玉に掲げたのも、これらの対応が早まったことに少なからず影響しているとは思うが、このようなIT化は半年や1年で変えられるものではない。まして法律がからむお役所の仕事である。
やはり相当前からいろいろと準備はしていたようだ。
さらに加速
これまで縦割りの象徴のように、各省庁ごとに独自のシステムが動いていたものをまとめる動きも出てきている。「e-Gov」という行政オンライン手続きのポータルサイトである。
このサイトによると、
・厚生労働省:3,382
・国土交通省:175
・金融庁:160
・経済産業省:132
(2020年2月28日現在)
と合計3,849件の申請などが可能になっているとのこと。これには今回お世話になった法務省の申請用総合ソフトや国税庁の e-Tax は入っていないので、それらを合わせると結構な数になる。
具体的な手続きや仕組みのオンライン化でいうと、やはり基本はマイナンバーカードを取得して、申請者の本人確認を電子証明書でするのだが、マイナンバーに代わるIDで手続きができる gBizID という仕組みもあるようだ。
どうも経済産業省が所管のようで、印鑑証明などを提出してIDを取得し、そのIDをさまざまなオンライン申請に使っていこうというものらしい。ただ、マイナンバーカードとの関係などがよくわからず、とくにマイナンバーカードの普及という観点からするとマイナスにはたらくことが懸念され、チグハグ感はぬぐえない。
オンライン化が過渡期であることは間違いないが、せっかく税金を使って仕組みをつくのであるから、効率的で使いやすいものをユーザー目線で構築していってほしい。デジタル庁の仕切りに期待したい。