迷車グラフティ4
ホンダ スーパーホーク
高2のときにヨンフォアを盗まれて、しばらくショックで立ち直れなかったが、やはりバイクへの想いは捨てきれず、でも金もないし、どうしようかと日々悶々と学校へ通っていた。
そんなとき、学校の近所の自転車屋さんの店頭にこのバイクを見かけた。サイドカバーからテールカウルの色は赤だったが、タンクははシルバー。発売からそんなに経っていない個体にも関わらず、ヤレた車体は、前オーナーのこのバイクに対する姿勢を物語っていた。
これなら外装だけなんとかして、ほかの部分は磨きをかければ、まだまだいけると思い、オヤジに訊いてみると、「3万円でいい」といいうではないか。
※写真はホークⅢ(400cc)
早速、お金を工面して家に乗って帰った。その時点ではまあ3万円かなって感じの状態ですので、とりあえず外装をバラバラにして、磨きをいれ、タンクやフェンダーもきれいにしてカッコよく乗れる状態に仕上げた。
このスーパーホークって聞こえはいいけど、当時流行っていた400CCのボアダウンモデル。暴走族が社会問題になっていた1975年にバイクの免許を400CCまでを中型、125CCまでを小型としたうえで、行政指導で中型免許を1年乗らないと大型が取れず、それも試験場でしか取れないように実質的に若者がナナハンに乗れないようにした悪法への改正である。
このあおりをうけて、若者が乗るバイクは400CCが主流となったが、一方で金無し少年たちには車検のない250CCが人気に。当時の250CCは専用モデルが少なく、400CC用に設計したバイクの排気量だけそのまま250CCにしたモデルが結構あったのだ。
※写真はホークⅢ(400cc)
400と同じ車体、重量で26psなので、まあおそい。信号からのゼロ発進でスポーツカーどころかスポーツセダンなんかにも負ける始末。
まあ3万円って考えると仕方がないかとも思ったりしたが、そもそも新車でこれを売っている訳で、それってどうかと思っていた。
結局、高3になってクルマの免許を取りに友人に譲ったが、歴代の迷車の中では一番印象が薄い一台であった。
【諸元】HONDA SUPER HAWK
最高出力:26ps/10,000rpm
最大トルク:2.0kg-m/8,500
車重:173kg
発売時期:1980年~1982年
価格:368千円