IVYおじさん日記

50代前半でメーカーを退職したIVY大好きオジサンの、次のキャリアに向けた活動なんかを中心にした日々の気づいたことを書いていきます。

人事の目的

新卒で工場の総務に配属され、たまたま携わったのが人事の仕事であった。一所懸命やっていく中で、この仕事に楽しさを見出し、今まで続けてきた。次の仕事を考えていくうえで、ここらへんで自分なりに人事の仕事を振り返ってみることにする。今後、不定期にさまざまなテーマで綴っていきたいと思う。

f:id:VAN415:20160512123136j:plain

人事の目的は「事業計画達成のための人的資源を質・量ともにタイムリーに供給し、管理していくこと」なので、人事戦略などは単独では存在し得ない。すべてはどのような企業理念に基づき、ビジョンを描き、その達成に向けた計画を実現する人的資源を整えていくかということである。

 

したがって環境が変わり、描くビジョンが変化すれば当然、その達成に向けた計画は変化していくことになるので、それを担う人材に求められる要件も変化していくということになる。

 

例えば、小売業の成長期経営戦略として、3年後に売上高○○億円、その手段として新規に300店を出店するという計画を立てたとする。

 

このような事業計画に対し、先ほどの人事の目的から考えるならば、新規に店舗を300店構えるのだから、300人の店長が必要となってくる。それも3年後の売上目標を達成するためなのだから、短期間のうちに確保することが必要である。それこそ内部育成などとはいってはいられない。同業種だけではなく、異業種も含め店長経験者を大量に中途採用し、自社のオペレーションに習熟してもらい、店長を短期間で大量に確保する。これが「経営計画達成のための人的資源を質的・量的にタイムリーに供給」ということになる。

 

要件として「タイムリーに供給」ということであるから、手段は内部の配置転換や採用、教育といったものに限定されず、必要に応じては外部リソースの活用やM&Aなども当然選択肢に入れていくことになる。

 

実務で日々忙しく仕事をしている人事担当者は、どうしても目の前の自社の従業員や採用のターゲットとなっている学生さんや転職希望者のみを見て、仕事を考えがちになってしまう。そうすると本来は手段であったはずの教育や採用が目的化し、「事業計画達成のため」とは真逆の方向に走ってしまうこともよくある話である。

 

「質的」の意味合いについても、スキルや知識のみをさすだけではない。企業活動の根本をなす、自社の経営理念やビジョンに心の底から共感し、その実現に向けてともにやっていこうという強い想いをもっているという質も極めて重要である。そのような質の従業員の割合を増やして、組織としてのベクトルを合わせていくのも人事として極めて重要な役割の一つである。

 

以上がボクが考える人事の目的である。人事担当者は日々の業務を行うにあたって、その携わる仕事の結果が、人事の目的にあっているのかを考えながら行っていくべきだと考えている。