資本金準備
払込があったことを証する書面
定款の認証が終わると、登記申請に向けてさまざまな書類をつくっていくことは昨日のBlogで書いた。その中には書類を作成するだけでなく、実際に行為を行わなければならないことがある。資本金の準備である。
資本金自体は、いろいろな調達方法によって人それぞれ準備をする。しかし、登記をする場合には、その資本金が発起人代表の銀行口座に入金された事実を示し、それを設立時の代表取締役が書面で証明することを求められる。
「払込があったことを証する書面」という文書を作成し、それに発起人代表の銀行口座の通帳の表紙、裏表紙、入金や振込みが記載されているページを添付することが必要だ。
もともと残高があるだけではだめで、入金もしくは振込の欄に資本金の額が記載されていることが必要だ。ここらへんはやはりお役所、形式主義である。
最近はネット銀行や通帳レスの銀行も多いが、そこには対応してきている。通帳の写しでなくとも、ネット上の取引明細を印刷したものでOKということだ。その場合、金融機関の名称(口座が開設された支店名まで)、出資金の払込みの履歴(日付と金額)、口座の名義人の記載が必要だ。複数ページにわたる場合でもそれぞれ印刷して添付すれば大丈夫ということである。
振込手数料
自分名義の銀行口座はいくつか持っている。しかし、入金もしくは振込の取引が明細に記載されなければならないとすると、やはり自分名義の口座間で振込をすることになる。まさか数百万円もの金額を現金で引出して別の銀行に入金するなど、リスクを考えると現実的ではない。
同じ銀行の本支店間振替ができる口座を持っていれば、手数料はかからないが、それは持っていない。なので持っている銀行口座の振込手数料を調べてみた。
三菱UFJ銀行 330円
ゆうちょ銀行 440円
東北労働金庫 550円
(いずれもインターネットバンキングで5万円以上の場合)
こんなにばらつきがあるのだと、あらためてびっくりである。ちなみにボクのメインバンクは昨年住信SBIネット銀行に変えた。ランクが4つあって、条件によってATMからの現金引出し、振込手数料が無料になる回数が変わる。
ボクは、預金の月末残高300万円以上という条件を満たすようにしていて、それでランク3(上から2番目)のATM現金引出し、振込みとも月7回まで無料である。全部使いきるかどうかは別としても、業界トップといわれるあおぞら銀行で年間0.2%である。それに比べるとこの手数料は非常に魅力的だ。
このようにボクの場合はメインバンクから他行への振込手数料はなので無料なので、資本金を振込んだ銀行から、その後開設する会社名義の銀行口座への手数料のみを考えればよく、そうすると上記3行から三菱UFJ銀行に決めようとしていた。
自由競争
昨日なにげなく住信SBIネット銀行のページを見ていたら、振込手数料の欄に「三井住友信託銀行」は同行あてと同じく無料とあった。ボクは三井住友信託銀行にも口座を持っていたので、調べてみると同じように、住信SBIネット銀行への振込みも手数料無料とある。
これで資本金の証明に使う振込手数料というコストを0にすることができたるのだ。会社名義の口座への振込みは、住信SBIネット銀行に再度振込んで、手数料無料で会社名義口座へ振込めばいい。たかだか数百円の話だが、振込手数料といわれるとどうしてもムダな感じがしてしまうのだ。
住信SBIネット銀行はさらに進化している。最近メールが入りタイトルに「振込手数料無料プログラム条件変更」などと書いてあった。どうせ回数を減らす内容だとガッカリしながら見てみると、なんと逆に無料回数を引上げるというのだ。
ちなみにボクのランク3の場合、ATM、振込とも無料回数を月7回から月10回に引上げるというのだ。ボクが住信SBIネット銀行にメインバンクを変えたきっかけが新生銀行の無料回数引下げがきっかけだったので、まったく逆の動きである。こういうのを企業努力というのではないか。
まあ、数多い店舗や行員を抱え、さまざまなところに自社専用のATMを置いているコストがバカにならないのは理解できる。しかし、その仕組みはいったい何年前のビジネスモデル?と訊きたくなる。
護送船団方式といわれた規制撤廃をして20年、ようやく本格的な自由競争時代に入ってきたのだと感じる。だたそれにはスマホなどの端末機器や大容量のネット回線といった技術革新が前提条件となっていることも事実だと思う。
これからの5G時代に向けて、ボク自身も時代の変化の波に対して敏感に合わせていかなければならないとあらためて感じさせられたのであった。