IVYおじさん日記

50代前半でメーカーを退職したIVY大好きオジサンの、次のキャリアに向けた活動なんかを中心にした日々の気づいたことを書いていきます。

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きっかけはコメントから

先日ここで専門書を紹介した。労働基準法から労務関係の税務まで数冊、ボクがいままで実務で使ってきて役に立ったものばかりで、税務関連の本については紹介文の中に税務調査に向けてしっかりと理論武装をする必要ありと何気なく書いた。

 

するとある会社の会長さんから「コロナが落ち着いたら、税務調査が来そうだ」と交代した新社長を心配するコメントが寄せられた。

 

ボクはすぐに、新社長に向けて「事前の自己診断、無料でお手伝いします」とお伝えした。するとさっそくお願いしたとのお返事をいただいた。

 

労務関係の税務に関するチェックリスト」はフラッシュアイデアであったが、その場で頭の中にチェック項目がだいたい浮かび、かつどの参考書でそのチェック項目のヌケモレを確認すればいいかもわかっていたので、すぐに自己診断のためのチェックリストを送る旨の連絡を入れた。

 

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源泉所得税チェックリスト

大企業では、税務申告を仕切ったり、税法改正対応をしたり、税務調査の窓口になるなどの税務担当者を経理部に専任でいるが、中小ではそうはいかず、決算のまとめから税務申告まで税理士にお願いをするのがほとんどである。

 

税理士さんは税務申告、とくに法人税や消費税、源泉所得税などにはとても精通している。一方でなかなか目が届かないことが多いのが、労務関係の税務分野である。

 

会社は給与を支払う場合は、給与支払事務所等の開設届を出して、源泉徴収義務者という位置づけになる。毎月支払う給与からはしっかりと所得税源泉徴収するのだが、一方で給与以外にも給与とみなされたり、または現物給与といって、もらった人が受けた経済的利益に対して所得税源泉徴収しなければならないとされている。

 

これは会社の仕組みでいうと結構な範囲となり、見落とされがちな部分である。わかりやすい例でいうと、出張のときの日当であったり、単身赴任者の帰省のための旅費、夜勤者に支給する夜食など、ちょっと聞いただけでは税金がかかるとはイメージできないものも多い。

 

このような部分は、伝票をチェックしているだけだとなかなか浮かび上がってこない部分で、税務調査でチェックされる項目をあらかじめ人事担当者が押さえておいて、そのような制度を導入する際には、源泉所得税の課税といった面も含めて検討する必要がある。

 

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経験がものをいう

ボクは新卒で入社した会社で最初の8年間、給与計算を担当した。源泉所得税の税務調査が来ると対応するのはボクの担当であり、最初は入社の年の冬に来たのを覚えている。

 

ボクがいた会社の人事メンバーは、とにかく給与所得の源泉徴収にはうるさくて、よく勉強していた。一方で先輩から引き継いだ制度運用で課税しなければいけないかも知れない部分を発見しては、どのように直していくかを悩んでいた。

 

「税務調査では課税対象かどうか議論になる可能性が高い運用だ」と認識しつつも、これを直すとなると、全社を巻き込むような大事になるので、なかなか上司のOKをもらうことが難しいのである。

 

そのような部分を頭に入れながら、税務調査には対応しなければならない。うそはいってはいけないが、訊かれないことは話さない。要求された資料はきちんと出すが、必要な部分のみを提出して、余計な書類や帳票は出さないなど、真摯に対応しつつも見せる必要のないものは見せないというようなことを徹底的に先輩や上司に叩き込まれた。

 

ただ、先方も仕事なので手ぶらで帰るわけにはいかない。毎回の税務調査で指摘されても、あまり影響がないものをあらかじめ決めていおき、お土産として持って帰っていただく検討もしたものであった。

 

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名刺代わりに

そんなやり取りを何度も経験してくると、だいたいチェックが入る項目や制度というのは絞られてくるのである。ボクはこれをまずビジネスの付加価値として、名刺代わりに提供して接点をつかんでは、と考えたのであった。

 

人材系の会社さんが、無料セミナーを開いて情報提供しつつ、コミュニケーションをとるのと同じ考え方である。このチェックリストが好評だったら、ハラスメント編や同一労働同一賃金編、コンプライアンス編などバリエーションを増やしていきたいと思う。