IVYおじさん日記

50代前半でメーカーを退職したIVY大好きオジサンの、次のキャリアに向けた活動なんかを中心にした日々の気づいたことを書いていきます。

CSR

先週末ビール工場を見学してきた。販促を目的とした一般向けの工場見学ツアーで、最近できたという最新鋭工場らしく、建屋が工場見学を前提に設計されていて、整然としとてもきれいで見やすかった。

 

見学の後はお決まりのビールの試飲とおみやげ。しっかりと販促戦略に載せられ、ビールセットとおつまみを購入した。

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BtoCメーカーでは、こういった自社工場を素材として工場見学ツアーを行い、販促やブランドイメージの向上などを行う企業はめずらしくない。しかし、BtoBメーカーとなると状況はとたんにかわるのではないか。

 

ボクは以前からこの工場という素材を使ってCSRができるのではないかと考えていた。工場という生産活動に使う場所や道具を地域や社会にもっとひろく公開し、教育などの教材として利用できるよう、積極的に解放するのである。

 

工場の先頭工程に投入された素材や製品が、最終工程から製品となり出てくる姿は、製造工程によって付加価値を与えられるというメーカーの活動を目で見ることができ、産業の仕組みや原理といったことを理解するための格好の素材である。近隣地域の小中学校の社会科見学や高校大学の授業、ゼミの研究など教材としてのニーズは高い。

 

BtoB、いわゆる企業向けに製品を製造、販売しているメーカーは、会社の規模や技術力、経営成績に関わらず、一般の人々に対する知名度はほんとうに低い。それは、知名度だけの問題にとどまらず、採用であったり、働く従業員のロイヤルティなどにも少なからず影響する。

 

会社を説明するのに、まずどのようなモノを作っていて、それが世の中の何に役立っているのか、ということからはじめなければならない。

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メーカーに勤めていると、毎日見慣れていて、仕事の場所であり道具そのものである工場だが、一般の人々からすると工場というのは、常日頃見たことのない、非日常的な特別なものであり、製造マシンやロボット、ベルトコンベアなどが整然と配置され、休みなしに動いている姿はハイテクの塊に感じられる。

 

CSR(企業の社会的責任)というと、ボランティアだとかさまざまなイベントへの参画などを思いうかべがちであるが、その企業だからこそできる、その企業でないとできない、そういったことや価値を社会に提供していくことが、CSRの本質だと思う。

 

そして活動を地道に続けていった結果として、それが企業イメージの向上やブランドの浸透、従業員のロイヤルティ向上などに結びついていくのが、株主も納得するもっとも質の高いCSR戦略なのではないだろうか。

 

前職ではこの持論を実行せずに終わってしまったので、またもしBtoBメーカーに縁があったならば、次は是非提案して実行してみたいと思う。