IVYおじさん日記

50代前半でメーカーを退職したIVY大好きオジサンの、次のキャリアに向けた活動なんかを中心にした日々の気づいたことを書いていきます。

退職金の明細書が届いた

昨日の夜に前職の部下からメールをもらった。今回の一連の希望退職者全員への退職金や割増退職金その他の支払いの手続きを終え、最後に対象者約350人に対し通知明細を送って約5ヶ月にわたるミッションを無事終了したという内容であった。

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彼女は給与計算チームのリーダーをやっているが、久々に同じ部署で一緒に働くようになったこの2年間で、メンバーもさまざまな経歴を持つ、野球に例えれば弱小チームをよくまとめて、プロ集団に仕立ててくれた。

 

給与計算の仕事は、人事の中でも最もつまらない仕事といわれる。決められたことを決められたとおりにすすめていく。間違いは1円たりとも許されず、間違いは起こさなくてあたり前、万が一間違いを起こせば、責められる。そんな割の合わない仕事である。

 

ボクのキャリアは給与計算の担当からはじまった。新卒で前職に入社し、給与計算の実務を8年間続けた。そんな中でボクが給与計算という仕事に見出した役割とは、「給与を払って社員に満足してもらうこと」であった。

 

給与とは法や契約で定められた払わなければならないもの、である。その払わなければいけないお金を「死んだ金」ではなく「生きた金」として社員に届けること、これが8年間実務を担当してきた中で自分なりにこの仕事に見出した仕事の意味であった。

 

実際会社のさまざまな「現場」で働いている社員が、1ヶ月間一所懸命汗水たらして働いたことに対して会社から帰ってくる唯一のメッセージが給与である。その給与を「払うことが決まっているものだから」ということで、無言で目の前に投げてよこされるのか、「一か月間ごくろうさま、ありがとう。来月もよろしくたのむよ」といわれながら渡されるのでは、その違いは一目瞭然である。

 

そのように役割を定義していくと、受け取る人の満足を高めるためには、と考えるようになり、計算で間違いを起こしてはいけない、担当者にとっては1/4,000でも受け取る側からすれば、1/1であり、その計算結果が会社から受け取るメッセージのすべてなのである、と考えられるようになる。

 

また、払い方や、明細書の見せ方、さまざまな手続きの方法やその説明の仕方など、ともすると自己中心的になりがちな人事部門において、そこにお客様視点が自然と入ってくるようになるのである。

 

こんなことを彼女にもずっといい続けてきたのだが、今回自分自身が退職をすることになって、初めて逆の、社員としての立場で関わることになった。退職手続きの説明会や今日届いた明細書を見て、相手の立場に立った実に親切でわかりやすい内容であり、弱小チームもここまで成長したのだと改めて実感したのであった。

 

これからも自分たちは社員に満足を与える第一線に立っているのだと自覚して、がんばっていくようエールを送りたい。